エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
「私……ここだよ」

「おねえちゃん」

「私、ここにいるよ……!」

 急に私が大声を出したせいで、ゆうやくんの肩がびくっと跳ねる。

 それとほぼ同時に、突然目の前が明るくなった。

「実結!」

 顔を上げると、勢いよく冷たい雨が当たる。

 頭上を塞いでいた瓦礫が取り除かれたんだと理解する前に、私は声の主に手を伸ばしていた。

「篠……!」

 篠も私に向かって手を伸ばす。

 会いたかった人の顔を見て安心したからか、ふっと意識がはっきりする。

今この手を取るべきは私じゃない。

「先にこの子を助けて」

「……わかった」

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