エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 雨を嫌がり、手で顔を覆っているゆうやくんの身体を持ち上げ、篠に向かって押し出す。

「おねえちゃん!」

「大丈夫だよ。あとはお兄ちゃんが助けてくれる」

 暗闇に閉じ込められていたときよりも不安そうなゆうやくんに言うと、小さな身体を受け止めた篠が大きくうなずいた。

「お姉ちゃんの言う通りだ。おいで。お母さんたちが待ってる」

「おかあさん……」

 ゆうやくんの顔がくしゃくしゃになり、篠に抱き着いて泣きじゃくる。

 篠はゆうやくんを近くにいた別の自衛官に預け、今度こそ私に向かって手を差し出した。

「おいで、実結」

 うん、と言ったつもりが声にならなかった。

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