エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 篠が泣いている姿を見たのは、二十何年振りだろう?

 かつてそうしていたように、袖で篠の涙を拭う。

 篠は恥ずかしそうにしながら、私のお腹を何度も愛おしげに触った。

「うれしすぎると、なにを言えばいいかわからなくなるんだな……」

「伝わってるから大丈夫だよ。この子にもパパだよって挨拶してあげて」

「……自分をパパって言うのは恥ずかしいな」

「呼ばれるようになったら慣れるかもしれないね」

 こくりと子供みたいにうなずいた篠が、お腹に顔を寄せて頬を押し当てる。

 聞き間違いかと思うほど小さな声で「パパだよ」と聞こえた。

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