悪魔と私
「ああ。彼らは、目的のためだったら何だってする。そして、彼らの目的は…」
ライトは言いづらいことなのか、少し間を空けて言った。
「目的は、地球の壊滅だ」
…え……?
「かい、めつ…?」
「そう。彼らが犯罪を犯したのも、そのための一歩だったんだ。…詳しくは言えないんだけど」
ライトのことを信じられない、クロ達を信じたいという気持ちはあるのだが、ライトの言うことはとても辻褄が合っていて、とても嘘には聞こえない。
「でも…。何で私と一緒に行動してきたの?彼らは、私の記憶を戻すためにここに来た訳だし…」
「それも、貴女を信用させる為だろう。貴女は知らされて無いだろうが…、貴女のなかには、とんでもない程強い魔力が潜んでいる。信用させて、この地球を壊滅させるのに使おうとしてたんだろう」
「嘘…」
嘘だ。この人が言ってることは、全部嘘だ。
耳を塞いで、こんな奴の話に、耳を傾ける必要なんてない。
心のどこかで、そう呟いている自分と、彼を信じている自分が居る。
「ここに居れば、安心だ。この城の周りには結界が張ってある。いくら、彼等とて、簡単には敗れない。貴女が利用される必要は、無いんだ…」
…私はどっちを信じたら良いの――――――?