水と油の私達

姫 side 由乃

「由乃ちゃんに、紅の姫になってもらいたくてさ」

「え?」



急すぎる言葉に唖然とする私。

ワクワク顔ののんちゃんとるいくん。

呆れ顔のゼロくん。

口元に弧を描いているりつくん。

そして…



「はあ?!そいつ元姫なんだろ?裏切り者の!しん、正気か?」

「ちょっとふうちゃん!」

「さっきからぜろにも媚び売ってるようにしか見えねえし、のんのことも虐めるんじゃね?一部ではよく聞くぜ?現姫のことを、元姫が虐めてた、って」

「ふう、やめろ」

「はぁ?!しんもぜろものんも、裏切り者の味方すんのか?紅の姫は大事だ。こんなやつに任せられねぇ」



こんなやつ、か…

私もあんまりやりたくなさはある。

けど…

りつくんは恐いけど、ぜろくんものんちゃんも、しんくんもるいくんも、ちゃんと、私を受け入れてくれて…
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