水と油の私達
「この女が入るんだったら、俺は紅抜ける。この女がいて紅が正常に動いていけるとは思わねえ」

「好きにしろ」

「ちっ!」



しんくんの言葉に思いっきり舌打ちをし、幹部室からふうさんは出ていってしまった。

私のせいで…



「しんくん、私、紅の姫やらないよ?」

「ゆーちゃん、違うの、ふうちゃんは!」



必死に弁解しようとしてくれるのんちゃん。

…ごめんね。



「紅って、どーせちっちゃいんでしょ?全国何位だっけ?」

「え、ゆーちゃん?」

「あー、下すぎてわかんないわよね、ごめんなさいね。こんな低レベルなところの姫なんて、私、やらないから」



鼻で笑ってみせると、のんちゃんが悲しそうな顔をした。

演じきれ、演じきれ。



「さようなら、紅の皆さん。合瀬さんも、凪さんも」



幹部室のドアを閉めて唇を噛み締める。

のんちゃんにも、嫌われちゃったよね。

折角、友達になれると思ったのに、な。

私は家に帰ってすぐにソファに転がり、そのまま寝落ちしてしまった。
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