水と油の私達

マナだから。 side 由乃

夜道を一人で歩くには意外に勇気が必要で、少し寒い中歩く私以外には、誰も周りにいなかった。

コンビニでアイスとパンを買ってからすぐに出る。

コンビニから離れるほど灯りが薄くなっていく。

段々恐くなって、できるだけ近道をしようと曲がり角を曲がった。



「…」

「おっ」



男の声が聞こえたかと思った瞬間、私は誰かの腕の中にいた。

頬に当たるシルバーのアクセサリー。

服越しでも感じるほどの冷えた指先。

全てがただただ冷たくて、私を不安にさせた。

きっとこれが薪くんだったなら、そこまで恐怖心を抱かせなかっただろう。

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