水と油の私達
けど…



「だから無駄だって言ってんじゃん?今のは完全にお前が悪いよね?」



さっきよりも遥かに低い声でそう告げる男。

男がつけていたネクタイを外し、私の腕を固定する。

もう完全に身動きがとれない。

うまく逃げられてれば…

今からどうなるのかもよく分からず呆然と男を見つめる。



その瞬間、男と私の距離が0になった。




「は?」

「口開けたら舌入れんぞ」

「なっ…!んっ、ちょっ…ゃだっ」



唇と唇がくっつく、なんて可愛いキスじゃない。


いわゆるディープキスなんてものをしてくる男。


普通のキスすら幸都ともしてなくて…

ファーストキスだったのに…

知らないうちに涙が零れる。

なんで私…

助けてよ…だれか助けて…



「しんっ…く…」
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