秘密の出産だったはずなのに救命医の彼に見つけられてしまいました
「うん、優里に似合うよ」

「斗真もね」

「自動の巻き上げなんだ。電池はいらない。腕にはめている間はずっと動き続ける」

ずっと続く、永遠を感じさせる言葉にじわっと涙が浮かんできた。
将来を考えてくれていると何度も思わせてくれる。
彼のためならずっと待ち続けられると確信した。

彼は私を抱き寄せると優しく唇を合わせてきた。久しぶりに感じる彼の体温は、いつも同じで温かくて私の心も温めてくれる。
優しく始まった口付けは徐々に深くなり、彼は私の中へと侵入してきた。
そこから先は彼に嫌というほど甘やかされ、翌日はちょっぴり声が掠れてしまった。

「ごめん。久しぶりの優里を離してやらなかった」

斗真は朝になると苦笑いを浮かべながら頭をかいていた。
そんな彼の様子に私もはにかんでしまう。
私だって久しぶりの斗真の温もりをいつまでも感じていたかった。
私たちは相思相愛なのだと疑わなかった。
これからの人生も共に歩んでいけると思っていた。
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