秘密の出産だったはずなのに救命医の彼に見つけられてしまいました
未来は何度も来ている私の部屋。
鍵を開けるとシャワーを促され、その間にコンビニで買ってきたうどんを作ってくれる。

「優里? うどんできたよ」

「ありがとう」

テーブルの前に座るが食欲がわかない。
未来に悪いと思いうどんを少し口にするが、すぐに吐き気に襲われた。

「大丈夫?」

「うん。ごめん、少し寝るね。未来もいつもみたいに寝ていって」

未来とは卒業後もかなりの頻度で会っている。私の部屋には未来がいつでも使えるよう予備の布団がクローゼットに入っており、自分の部屋のように勝手もわかっている。
私は重い身体をやっとベッドで横たえた。

「おやすみ」

優しい未来の声に、体調が悪く心細かった私はホッとした。
目を閉じると自然に夢の中へと落ちていった。
< 23 / 74 >

この作品をシェア

pagetop