囚われのシンデレラーafter storyー
どうして――?
慌てる手で、佳孝さんに電話をする。
「もしもし!」
(仕事は、もう大丈夫なのか?)
呑気な声が受話器越しに聞こえて、私は叫んでしまった。
「どうしたんですか? なんで? 東京って、日本の東京?」
(東京って、日本以外にあったか?)
そう言って笑う佳孝さんに、本当に会えるんだという気持ちで震えてしまいそうになる。
「今、どこにいるんですか?」
(どうした、そんな顔して。驚いて腰抜かした?)
「え……っ?」
歩道で周囲を360度見回す。
「――あずさ」
そうしたら、スマホを手にした佳孝さんが駅の方からこちらへと歩いて来る姿が見えた。
「佳孝さん!」
更に驚かされて、すぐに駈け出す。
「どうして? どうしてここにいるんですか!」
笑顔で私の真正面に立つ佳孝さんの腕を掴む。本物の佳孝さんだ。
「あずさの真似をしたんだ。サプライズ」
「あ……」
私も、佳孝さんを驚かせようといきなりパリへと行った。
「俺もあずさを驚かせたくて」
「それにしたって……驚かせすぎです」
佳孝さんが私の手を取る。
「本当は、驚かせるためだけじゃない。俺が、少しでもいいからあずさに会いたかった。言っただろ? どうせ大して我慢なんかできないって」
「佳孝さん……」
優しく私を見つめるその目を改めて見上げれば、胸がいっぱいになる。
「最終日は、事務所で打ち合わせだけだと言っていたから迷惑にはならないだろうと思ったんだけど、大丈夫だったか?」
「大丈夫です。今日は、もう自由の身です!」
ここが歩道でなければ、今すぐにでもその胸に飛び込みたいくらいだ。