囚われのシンデレラーafter storyー
会話と共に、お肉料理、魚料理、新鮮なサラダ、そして美味しいワインが運ばれて来る。
「どれを食べても美味しいです! さすが、美食の国!」
興奮してしまうくらいに絶品なのだ。
どれもこれも家庭的な料理だから、所作をあまり気にせず気軽に食べられる。それがまた食欲をそそる。そして、ワインも無意識のうちに口に運んでいた。
「――本当に、あずさは……」
「え……?」
ナイフとフォークを手にしたまま、顔を上げる。
「いつも美味しそうに食べるよな」
そう言って私を笑って見つめるから。急に恥ずかしくなる。
「だって、本当に美味しいから」
「そうだな。ここの料理は本当に美味しい。いつも、世話になってるよ」
「仕事帰りに寄るんですか?」
「そうだよ。未だに料理は苦手で。アパルトマンに帰る途中にここがあるから、ついついこの味に誘われて入ってしまうんだ」
仕事帰り――。
西園寺さん、素敵な人、仕事も出来る、仕事、仕事仲間、同僚、女性……。
意味の分からない連想ゲームを勝手に脳内で始めてしまう。
いくら美味しいからと言って、ワインを飲み過ぎただろうか――そう思いながらも、またもグラスを手にしてしまう。
綺麗な赤紫の液体をグイっと飲み干した。
「あずさ、ワインはその辺で終わりにしておいた方が――」
「あ、あの……っ」
「ん?」
グラスをテーブルに置き、声を少し張り上げる。
「西園寺さんの素敵さは、万国共通だと思うのです」
「急に何の話?」
西園寺さんの返しには構わず自分の言いたいことを言う。
「仕事をしていれば、同僚がいます。同僚がいればその中に女性がいると思うのです。絶対に西園寺さんのことを素敵だなって思ってる人がいると思います。女性に、ディナーに誘われたりしないのでしょうか……っ」
一思いに吐き出してしまう。
だって、気になってしまうよね――?
どうしたって、気になるよね――!
私は一体誰に同意を求めているのだろうか。