囚われのシンデレラーafter storyー
それからお店を出て、夜の石畳の道を並んで歩いた。
強く手を握りしめ合って、そして、来た時より自然と西園寺さんの腕に身体を寄り添わせる。
少しほろ酔いの私を支えるその身体が、私の胸を一杯にする。
10分ほど歩くと、西園寺さんの住むアパルトマンに着いた。
パリらしく、歴史を感じさせる建物だ。年季の入った大きな木の扉を開けると、すぐに螺旋階段が目に入る。
西園寺さんの部屋は最上階にあった。
「――とりあえず、ソファにでも座っていてくれ」
玄関ホールの天井には、レトロな雰囲気のシャンデリア。そこからガラスがはめ込まれた扉を開けると、リビングダイニングが広がっていた。白い大きな木枠に囲まれた、背の高い窓が並ぶ。
窓の外に小さくエッフェル塔が見えた。
「……わぁ、素敵ですね。よく写真集なんかで見て憧れていた、パリのアパルトマンそのままだ」
座るのも忘れて、部屋を見回す。
「狭いだろ? パリは、本当に住宅事情が悪くて。選べる余裕なんてなかったから勤務先が見つけておいてくれた部屋に入っただけだったけど。治安はいいし、交通の便もいい。家具付きだったから、すぐに生活も始められて。結構、気に入ってるんだ」
部屋の雰囲気に魅了されている私の隣に西園寺さんが立った。
「全然、狭くないですよ。広すぎるより、私にはこっちの方が落ち着くかもしれません」
ソファと、ダイニングテーブルと、デスクと、書棚と。
必要な物しか置かれていないのは、以前住んでいた西園寺さんのマンションと変わらないけれど、コンパクトな分だけ親しみやすさがある。
コンパクトと言っても、一人暮らしなら十分な広さだと思うけれど。
天井が高いから、開放感もある。
パリの治安のいいエリアにこれだけの部屋を借りるのは、それなりの費用がかかるだろう。
「ほら、立っていないで座ったらどうだ?」
いつの間にか、ソファに座っていた西園寺さんが私を呼んだ。
「は、はい」
その隣に腰を下ろす。
ジャケットを脱ぎ去ると、西園寺さんは私に身体を向けた。