囚われのシンデレラーafter storyー
「……疲れただろ?」
「ううん、疲れていないです。飛行機に乗っただけですから――」
朝、普通に起きて、練習して。
午後、飛行機に乗っただけ――。
疲れなんかより、会いたかった気持ちの方がずっと強い。
間近にある西園寺さんの身体に、胸がドクンと跳ねる。
「でも、明日も明後日もある。今日は、ゆっくり休ませてやりたい。そう思っているのは本当だ」
西園寺さんが私を優しく抱き寄せる。
その腕は優しくても、胸の鼓動が早いのに気付いた。
「だから今、懸命に自分に言い聞かせてる。このまま大人しくあずさに安眠を保証しろって」
その言葉に、ついふっと笑ってしまう。
「私、本当に平気ですよ。だから、いいです。私だって、西園寺さんと――」
って、これじゃ私、ねだっているみたいだ。
「……バカだな」
甘く囁くように吐かれた声がして、そのままソファに押し倒された。
すぐ目の前に、西園寺さんの顔がある。
「そんなに俺を甘やかしていいのか?」
「え……っ?」
「せっかく、頑張って今日のところは耐えようとしていたのに」
大きな手のひらが私の髪を撫で、そのままその手が滑る。
「さっきの店で。あんな風に、真っ直ぐに可愛いことを言われて、俺がどれだけ耐えたのか分かっているのか? あの場で押し倒してしまいたい気分だった」
そのゆっくりな手の動きが、余計に官能的で。私の胸の高鳴りも増していく。
「ただでさえ、我慢に我慢を重ねた状態の俺に、そんなことを言ったらどうなるのか知りたいって言うなら――」
優しく撫でていた指が、私の顎に添えるようにして触れて。
「いやというほど、分からせようか」
「――ん」
呼吸ごと飲み込むように、唇を塞がれた。