囚われのシンデレラーafter storyー
「佳孝さん。約束の、誕生日のお祝いしましょうよ! ね?」
涙がまだ乾かないうちに、佳孝さんの腕を掴む。
「ああ、でも、今日、あずさの演奏のプレゼント、もうもらったよ」
佳孝さんが、誕生日祝いなんてまったく考えていなかったとでも言いたげな顔で私を見上げる。
「なに言ってるんですか! それは、一緒にお祝いしたことにはなりませんよ。ほら、早く、こっちに来て」
「お、おいっ」
その腕を引っ張り、ダイニングテーブルに呼び寄せた。
「ここに座っていてください」
佳孝さんを椅子に無理やり座らせると、すぐさま荷物でパンパンになったスーツケースを漁る。
この中には、はっきり言って、公演に必要な衣装類と佳孝さんのお祝いに必要なものしか入っていない。
「この時間からケーキを買いに行くわけにはいかないから、バースデーチョコレートを買っておいたんです。それと、ワインもね。あと、誕生日と言ったら、蝋燭ですよ。ちゃんと33本あるんですよ。それから……」
次々取り出し、一つ一つ佳孝さんに見せる。
「す、凄いな……」
そして、プレゼントのネクタイが入った紙袋。
それらを抱えて、佳孝さんのいるテーブルへと向かった。