囚われのシンデレラーafter storyー


世の中の恋人同士って、二人だけの時、どんなことをしているんだろう?

これまでバイオリンやアルバイトばかりで、ゆっくりと誰かと恋の話をするようなこともなかったし。
テレビドラマなんかもあんまり観たことはない。
兄妹もいないし、プライベートのディープな話をする機会もない。

唯一思いつくこと――。

裸にエプロンとか……。

ぱっと浮かんだ映像に、自分を罵る。

バカ――!

なんでそんなこと思いついたんだろう。
そうだ。一度、私がエプロンを着て料理をしていた時。
それだけで佳孝さんが襲って来たことがある。
だからと言って、あの佳孝さんがそんなこと想像しているなんて考えられないし。想像した自分だって恥ずかしくて死にそうだ。

分からない。

頭を横に振ると、それに合わせて水面に波が広がって行く。

結局、結論は。
なんだって構わない――ということ。

私にしか見せない佳孝さんの顔が、恥ずかしくなっちゃうようなことでも、私は嬉しいのだから。


 のぼせてしまいそうになる前にお風呂を出た。

 そして、パジャマを手にする。それは、誕生日を祝うための荷物に気を取られて部屋着を持って来るのを忘れた私に、佳孝さんが貸してくれた肌触りのいいパジャマだ。

あれ――?

ズボンがない。

え――?

佳孝さん、ズボンが一緒になかったのに気付かなかったのかな――。

どうしよう。

男性用だから上着だけでぎりぎり下着は隠れるけれど、なんとも落ち着かない。
脚がほとんど晒されている。

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