囚われのシンデレラーafter storyー
「もっと、欲しがって」
執拗にその指が攻め立て続ける。
「――あずさは俺が心配だと言ったが、」
「……んっ」
「離れて暮らしていて、俺が気が気でないことを、分かっているのか……?」
今度は耳元で唇を掠めながら囁く。
低く擦れた声が、爪先から脳まで貫くみたいに響いて身体を震わせる。
「俺と再会した日から今日まで、何もなかった?」
「さ、さいおんじさ――」
囁き続けながら、長い指が奥まで入り込んで来た。
「あの男とは、何もなかった……?」
あの男って……。
ほとんど機能していない脳で考える。
「あの、若い男だよ」
マルク、のこと――?
「な、何も――」
「……本当に? 好きだと、言われたんじゃないのか?」
いやというほどに身体を埋め尽くす快感の波に、ただ頭を振り続けることしか出来ない。言葉さえ発せられない。
「あの男があずさを見る目……あんな目を見たら、すぐに分かるんだよ」
激しさを増す愛撫に身体を捩る。
「でも、あずさは俺のものだから。指一本、触れさせるな」
妖艶に光るその目が、私を捕らえて。
「あずさの何もかも、この身体も、その表情も、全部、知っていいのは俺だけだ」
「さ、いおんじさ――っ」
どこに力を入れていいかも分からなくなっている身体を西園寺さんが抱き起こすと、西園寺さんの膝の上に座らされた。
「知ってた……?」
背中を濡れた唇が這うだけで、ぶるりと震える。
「俺が、本当は独占欲が強いってこと」
「そ、そんな風に、見えない……っ」
だって。
私が思い出す西園寺さんはいつだって、その感情を見せない姿だった。
今となれば、あれは感情を押し殺していたものだと知っているけれど、
柊ちゃんと私の関係を誤解していた時、西園寺さんは、無表情のままで何も言わなかった。
「独占欲が強くて、本当は、嫉妬にまみれて」
「あ……っ」
「あずさにだけは、大人げない感情が出てしまう」
熱くて硬いものが後ろから押し付けられる。その熱に、早く欲しいと求めてしまう。
「あずさが俺しか欲しがらないように、俺の事しか考えられないように。離れていても、俺のことを思い出すようにしたいって、そんなことばかり考えてる」
「西園寺さんしか、いらない。他の人なんて、私には、見えません……っ」
おかしくなりそうなほどの快感の波間で、必死に言葉を口にする。
その間にも、唇は私の首筋を滑り、指は止まることなく動き続ける。
「――もう、私……っ、お願い――」
欲しくて、どうにかなりそう。
後ろに振り向き、泣きそうになりながら懇願する。
「欲しいか?」
欲情した、熱く滾る視線が私を見上げる――。
視線でまでも私を犯す。
「――欲しい……あなたの、早く」
一気に貫かれた熱に、声を上げた。