囚われのシンデレラーafter storyー
「もしかして、俺の経済状況を心配してくれてるのか?」
「えっと……」
気分を害させただろうか――。
そう思って表情をうかがうと、西園寺さんの表情は変わらず柔らかなものだった。
「そうか……確かに、心配させてしまうのも無理はないな。俺もいろいろあったし」
そう言って、西園寺さんがふっと笑う。
「でも、大丈夫だ。今でも、十分稼いでいる」
その、いたずらっぽい視線に拍子抜けする。
「日本から見て外資系という所は、基本、高給だ。それも、ありがたいことに本部の中枢で働かせてもらえている。これでも一応管理職だからな。報酬はかなりいい。その分、成果主義だから、成果を上げられなければすぐに切られるけど」
西園寺さんが自分の仕事のことを詳しく話してくれた。
「そういう点では厳しい世界だが、ただ純粋に利益を上げることだけを考えられる。余計なしがらみもなければ面倒な事情に煩わされることもない。今のところは成果を上げられているから、すぐに首を切られることはないと思う」
「あの、佳孝さんのご家族の皆様は……?」
今、どんな暮らしをされているのか。
気になっていても、なんとなく聞けずにいた。
「……ああ、うん。今は静かに暮らせているよ。ようやくね」
その短い言葉に込められた、これまでの時間を思うと胸を締め付けられる。