囚われのシンデレラーafter storyー


 タクシーを降りて、握り合わせた手のひらの熱だけを感じ無言のまま部屋へと戻る。
 
 玄関ドアを閉じたと同時に、そこに押さえつけられ唇を塞がれた。その性急さに、ただ床を鳴らすバタバタとした足音が響く。

「――んっ」

顔を西園寺さんの両手で挟まれ、顔を固定されたまま激しいキスが繰り返される。

「あずさ……っ」
「ま、待って、ここ、玄関――」

果てしなく舌を絡められて、ようやく唇が離れた時にそう訴えたけれど。

「もう、十分待った。これ以上は待てない」
「――んん」

再び、唇を封じ込められた。
脚の間に、西園寺さんの脚が入り込んで来る。
ドアと西園寺さんの身体にきつく挟まれ、身動き一つ自由にできない。

「だめ……」
「酷い目に遭うと、言ってあっただろ?」

熱くてたまらない西園寺さんの唇は、耳に首筋に噛みつくみたいに激しく這いまわる。その手は、襟足に沿い、背中をなぞる。
その度に快感が走り、身体がびくびくと震えて。手にしていたクラッチバッグが、床に落ちる音がした。

「こんなに、熱くして」

耳たぶを甘く噛みながら囁く。

「だ、だって、こんな」

西園寺さんの膝が当たって刺激して。
唇は獣みたいに激しいのに、その指はもどかしくなるくらいゆっくり撫でるように触れるだけ。それが余計に、もっともっととはしたなく蜜を溢れさせる。

「これじゃ、お仕置きにならないな」
「んんっ」

今にも漏れそうな声を堪え、目を伏せる。

「……そんな顔をして、俺を狂わせて。苛めたいのに苛める余裕もなくなる」

敏感になっていたそこに、硬いものが押し付けられた。
熱く大きく張り詰めていることが、服越しでも分かる。その欲を感じれば、またこの身体は跳ね上がる。

背中に回されていた手が、ドレスのファスナーを下ろしブラのホックを外すと、身体が反転した。

< 55 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop