囚われのシンデレラーafter storyー
「俺たちは、選ぶ方向性が違うんだ。意見が一致するはずがない」
真面目な顔になって、西園寺さんが言う。
「でも、解決方法はいたって簡単。何も、一枚に絞る必要はない」
かと思えば、その目を細めて「おいで」と甘く優しい声で私に囁いて。その手に引き寄せられるままに、おずおずと西園寺さんの脚の上に横向きに座った。
私の腰を支えながら、肩にかかる髪を耳にかける。
「あずさがいいと思う写真、俺が好きな写真、そのどれもを飾ればいい。なんだったら、この部屋、あずさの写真でいっぱいにしてもいい」
「そ、それはちょっと恥ずかしいから、やめてほしいです」
「俺は、あずさが帰ってしまった後でも、寂しさを癒せる」
耳に掛けた指がそのまま耳に触れて。
「あずさに囲まれて暮らしているみたいだ」
「……んっ」
くすぐったくて、肩をすくめてしまう。
「それは、本当に、やめて――」
「……そうだな」
声が、甘く溶けて行く。耳たぶを掠めるみたいに触れていた手がそのまま後頭部へと移ると、西園寺さんの顔の方へと引き寄せた。
「写真は、本物のあずさではないから。どうしたって、こんな風に触れられるあずさの方がいい」
唇が至近距離で向き合い、その吐息がかかる。
「でも、どこかにあずさの気配が欲しいから。俺の好きなあずさを飾りたいんだ。いい……?」
「はい――」
大きな手のひらで包み込むみたいに頭を抱えて、唇を塞ぐ。すぐに深くなる。
「んん……っ、はぁっ」
「あずさ」
激しくなるキスに、その肩にしがみついた。