竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜


「本当におまえは俺の竜姿が好きなんだな。目がキラキラしてるぞ」
「え! あ! すみません!」


 でも、でも、この姿、かわいすぎるよ! 小さい竜が人間の言葉を話してる! しかも偉そうな口調なのが、ものすごーくかわいい!!(実際に竜王様だから偉いんだけど)


『人の姿でリコと会っているところを見られると、いろいろ面倒なことになるみたいだからな。この姿なら闇に隠れられる。それに小さくなると威圧もでないから、竜たちが騒ぐこともない』


 たしかにカーテンを開けても竜王様の姿は夜の闇に溶け込んでいて、まったく見えなかった。近くで見てもそうなのだから、遠目ならなおさらだろう。


『この姿を竜人たちに見せるわけにはいかないから、夜に会いに来たんだが。驚かせたか?』
「ちょっと驚きましたが……それより、その姿を他の人に見せちゃダメなんですか?」

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