イケメンエリート、最後の独身


 萌絵の気持ちは宙ぶらりんのまま、孤独の日々を送っていた。
 謙人にたくさん聞きたい事があったけれど、そういう機会はもう必要ない。だって、もう東京を離れてしまうから。
 萌絵は真っ青な空を仰ぎ見る。高層ビルにいるせいか空の中に浮いている感じがした。
 ソフィアの慈善事業の申し出に速攻で返事をした。その行為に絶対に嘘はない。自分に天職があるのなら、それは人のために働く事だと思う。
 でも、この二週間、萌絵は謙人を恋しく思っていた。ホヨンではなく謙人の事を。
 もし、あの夜から、謙人が毎日萌絵の元へ訪れていたのなら、この答えは変わっていたのだろうか…
 萌絵は大きく首を横に振った。
 たらればの話は考えないようにしたい。考えたところで、もう答えははっきり出てしまっているのだから。

 萌絵は遅いランチを済ませオフィスへ戻ると、会議室に全員が集まっていた。もう会議が始まっているのかもと思い、萌絵はそこへは顔を出さずに自分の仕事に戻った。


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