イケメンエリート、最後の独身


「萌絵ちゃん、ちょっといい?」

 明智さんが萌絵を呼びに来た。
 萌絵は緊張で声が出せず、明智さんの目を見つめて小さく頷いた。
 会議室の中へ入ると、いつものメンバーに在宅中心で仕事をしている李さんがいた。たまたま日本へ来ていたため、今回の会議はオフィスでの参加にしたらしい。

「萌絵ちゃん、初めまして」

 萌絵は李さんの挨拶に少しだけ緊張がほぐれた。リモートでしか会った事がなかった李さんは優しい顔をしている。

「李さん、お会いできて嬉しいです」

 萌絵は李さんだけを見ている。他の人達の視線をかわすように。

「それじゃ、萌絵ちゃん、ここへ来て」

 明智さんにそう言われて、萌絵は明智さんの隣に立った。
 一番最初に目が合ったのは、やっぱり謙人だった。謙人は怪訝そうな顔をしてこの状況を見守っている。


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