跡取りドクターの長い恋煩い
「宗司、あなた『スパダリ』になりなさい」

「「スパダリ?」」

 俺も幸太郎も初めて聞く言葉だった。

「『スパダリ』って、『スーパーダーリン』の略ね。ここ見て」

 差し出されたスマホの画面を男二人が覗き込む。
 
 【スパダリ】
 見た目はもちろんのこと、高身長・高学歴・高収入といったハイスペックかつ包容力や大人の余裕を感じさせる内面をも持ち合わせた、すべてが完璧な男性のことを指します。

「「ほぉー!」」

「ほら、これ幸太郎のことみたいでしょ?」

「「え」」

「うちの幸太郎は、ほんとハイスペックだからね。笑美里はこの幸太郎を見て育ったの。だからハイスペックなんて見慣れているのよ」

「……幸太郎って料理もできるの?」

「い、いや?  料理はあんまり……」

 何故か幸太郎がおどおどしだした。
 持ち上げられておきながら、これは料理が出来ない感じだな。かなり居心地が悪そうだ。
まあ、ハイスペックであるとは思うけど。
 
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