クールな許嫁の甘い独り占め。
大きな声をあげられて、またビクッとしたけど…目は逸さなかった。
「…っ、なんでわかんねぇんだよ…。
バカかお前は!」
バカって言われた……やっぱり怖い。
「クソッ、違うんだよ…。ほんとはそうじゃなくて…」
「何が違うの?ちゃんと言ってくれないとわかんない」
バカでもいいよ。
バカでもいいから、目黒くんの気持ちを教えてよ――。
「…好きだよ」
「え…」
「だから、好きだって言ってんだよ!ずっと、お前のことが!」
「…!」
あの時言われた「付き合う?」って、本気だったんだ――…。
あまりに軽く言われたから、ノリなのかと思ってた。
ノリだったのに馬鹿正直に返したから、それで怒ったのかと思ってた……。
それ以上に酷いことをしてたんだね――。
「ごめんなさい。大好きな人がいるので、目黒くんの気持ちには応えられません」
2年越しの返事となってしまった。