【砂の城】インド未来幻想
「これで足りるだろうか?」

 内部中央、八角形に(かたど)られたホールの中心には、王妃ムムターズ・マハルの参拝の為の(ひつぎ)が置かれている。その上に何処から生み出したのか、ベンガルトラの毛皮を数枚重ね、シヴァは優雅に抱き上げたパールヴァティーを、ゆっくりと腰掛けさせた。

「私の力は、貴方様を満たすことが出来るでしょうか?」

 正面にしゃがみ込んだやや下から見上げる慈愛の瞳に、震わされる戸惑いと不安の眼差し。

「きっと存分に注がれることだろう。触れずとも伝わってくる、光に満ちた愛が見える」

 シヴァは温かみのある微笑みで彼女を勇気づけた。首筋に手を伸ばし、引き出したスター・サファイアの指輪を、白く細い指先へそっと通してやる。その上半身をおもむろに倒させ、棺の上に寝かされたパールヴァティーの真上に、自分の身も横たえた。

「お慕い申し上げております、シヴァ様。今までもこれからも……」

 ――そして、いつまでも――

「私もだよ、パールヴァティー。ずっと愛している――」


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