成瀬課長はヒミツにしたい
 静かな廊下を抜け、中庭に出る。

 グリーンアーチをくぐり顔を上げると、目の前に眩いばかりのライトに包まれたチャペルが現れた。

 真理子は思わず息をのみ、しばらく動けなくなる。


「……すごい」

 やっとのことで出した声に、成瀬が静かにうなずいた。

「これがサワイライトの実力だな」

 成瀬がにんまりと口元を引き上げ、真理子は大きく、こくんと首を縦に振る。


「私、子供の頃からの想いを貫いて、サワイに入って良かったです。柊馬さんや大切な仲間、そして素敵な仕事に巡りあえました」

 目を輝かせる真理子に、成瀬はドキッとした表情を見せる。

「お前は本当に、入社面接の時から変わってないな」

「え? どういう意味ですか?」

 真理子が首を傾げると、成瀬は慌てて目を逸らし、照れたように頭に手をやる。

「あの時も、そんな目をしてた。まっすぐで、キラキラした目……。だから、一番印象に残ったんだよ」

 真理子は、お祭りの時の成瀬との会話を思い出す。

 そういえば、成瀬は『真理子は面接で好印象だった』と言っていた。
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