不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。
それから瀬戸先輩の号令によって、みんなは各々の練習へと散らばり始める。
「ありがとな、南野。マネージャー引き受けてくれて」
「瀬戸先輩!逆にご迷惑をお掛けしないか心配です」
「ハハッ。まぁそんなに固くならなくても、普段委員会の姿を見ている俺からすればすごい頼もしいけどな?」
「そ、そうでしょうか」
「あぁ。それに臨時とはいえ引き受けてくれたのが南野で俺も相当やりやすいよ。じゃあ、今後のことは他のマネージャーに聞いてな?」
「分かりました!改めて、よろしくお願いします!」
何か新しいことを始めるとき、臆病な私はいつも“楽しい”という感情よりも先に、“不安”や“恐怖”といった負のそれらがどうしても先立ってしまう。
小さな頃から人見知りが激しくて、自分から何かをすることは私にとってとても勇気のいることだけれど、これから先もずっとこのままでいいはずはない。
せっかく律くんが私を推薦してくれたのだから、ここでシャキッとしなければ!