不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。






私は律くんのことが好き。


明日もしも学校で会えたら、一番に『優勝おめでとうございます!』と伝えるんだって決めている。



それからマネージャーになるためのいろんな用品を買い揃えてくれたことのお礼も言いたいし、冬休みの練習期間中ずっと避けていたことを謝りたいとも思う。






人を好きになるって、忙しい。






「た、多田くんあの!私、」


「――ごめん。伊都ちゃんだけは無理。渡せない」






< 204 / 259 >

この作品をシェア

pagetop