月下の逢瀬
理玖と何も考えずに楽しく遊んでいられた、あの時からやり直すことが出来たら。

こんな未来にはきっとしないのに。


「何か、感傷的になっちゃったな。悪い。
こんな場所はふいに思い出が蘇って困るな」


あはは、と先生が笑って、あたしの頭をぽんぽんと叩いた。


「もう昼過ぎだな。何か食べようか、お腹空いたろ」


「あ、もうそんな時間なんですね」


時計を見ると、1時を過ぎようとしていた。


「向こうにレストランあったろ。行こうか」


「あ、はい」


急いで缶を飲み干して立ち上がる。
小さな魚のたくさんいる水槽の前まで行き、しばらくそれを眺めてから、その場を離れた。


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