愛よりもお金が大事。
「夏村ごめんな。
多分、岡崎社長がうちのじいちゃんに、夏村の事話したんだろうな。
俺が夏村に片想いしてるって。
ほら?昨日、夏村急にあの接待に参加させられたんだろ?
多分、じいちゃんが夏村を連れて来て欲しいとかなんとか、岡崎社長に言ったんだろうな」


なるほど。
それで、岡崎社長が私が浅村会長に気に入られている事に対して良かったね、とか言って来たのか…。


「けど、冬野は私がお金のある男の人を、って知ってたのに、なんで隠してたの?」


私を落としたいなら、それは最高の武器だろうに。
そういえば、夕べホテルの部屋で冬野が言おうとしたのは、その事だったのだろうか?


"ーーお金の事が不安で俺と付き合えないとかなら、それは心配しなくて大丈夫だから。
実は…ーー"


途中で、私がそれを遮ったけど。


「んー、だって。そんなのじゃなくて、俺をちゃんと好きになって欲しいから」


まあ、その気持ちは分かるけど。


「けど、頑張っても夏村の事どうにもならなかったら、最後の手段でそれを使うつもりだったけど。
俺がそこそこ裕福な家の子なのもそうだけど、将来的に俺はあけぼしの重役かもしれないって。
切り札はギリギリ迄見せないんだよ」


「え、おかしくない?
今言ってる事じゃなくて、だって…。
半月前、冬野から、もうこんな関係辞めようって…」


あの時、冬野はもう私の事を諦めたんじゃないの?
夕べ、岡崎社長がああやって冬野を挑発しなかったら、そのまま冬野は…。


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