あくまくんが愛してやまない。


このまえは秋がもう終わる、と嘆いていたし、以前、なぜ季節の変わり目に敏感なのか、その理由を聞いたことがある。


そのときに、恭平くんはこう言っていた。


『季節が移っていくのって、なんか淋しくない?』


わかるようなわからないような、曖昧なうなずきをしたわたしに、彼は苦笑して頭を撫でてくれたのを覚えている。


寂しいと口にした彼を、そんなふうに思わせたくないと思う。


できるだけ恭平くんのそばで、笑っていたいと感じている。




「ねーえ、みゆうちゃん」



彼がこうやって甘い声で呼ぶときは、危険なことが起こる予兆だ。


その証拠に、恭平くんの目は据わっている。


おそるおそる恭平くんを見ると、色気たっぷりに彼は言う。




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