炎と花びら
これは調べることができる大きなチャンスだ。アンは内心喜びながら、ハーブティーを口にした。



そして迎えた再来週の日、パーカー夫妻は朝早くに荷物を手に家を出て行った。アンはそれを家の窓から見届けた後、朝ご飯の準備をしているノーマンのところへ行く。

「ノーマン、おはよう」

「えっ、珍しく自分で起きれたんですね〜。今日は雪でも降るんでしょうか?」

スープをかき混ぜながらニコリと笑うノーマンからは、タバコの匂いは一切しない。だが、あのお茶会の時に嗅いだ独特の匂いを体に纏っている。だがそれを指摘することなく、アンは笑みを浮かべた。

「失礼な!あたしだって、一年に一回くらいは自分で起きれる!」

「一年に一回って……。せめて、一週間に一回にしてくださいよ」

呆れているノーマンに、アンは「今日はどこかへ出かける予定ある?」と訊ねた。ノーマンは少し考えた後、口を開く。

「夜に、マッケンジーさんに呼ばれたのでちょっとマッケンジーさんの家に行くくらいですね」

「何時くらいにマッケンジーさんのところに行くの?」

「夜の七時半くらいですね」

「了解!」
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