炎と花びら
アンは浮気調査から信用調査はもちろん、殺人や誘拐といった事件の調査まで何でも行っている。刑事に協力することも珍しくないため、アンのスマホの連絡先には、警察関係者の名前がズラリと並んでいるほどだ。

だが、探偵には助手という存在が必要不可欠である。アンの助手をしているのがノーマンだ。だが、彼はアンの生活能力の無さに危機感を覚え、恋人という関係ではないのに一緒の部屋で暮らし、家事全般をしてくれている。

「今日の朝ご飯は、アンの大好きなパンケーキとカリカリベーコンですよ」

「やった！」

子どものようにはしゃぐアンを優しい目でノーマンは見つめた後、リビングのドアを開けた。



警察署の殺人や誘拐など凶悪事件を扱う部署では、強面の刑事たちが事件を解決するため、日夜奔走している。その部署の中に躊躇うことなくアンとノーマンは入り込んだ。

「アン、ノーマン、よく来てくれたな！」

リーゼントヘアが特徴的な刑事がニコリと笑い、手を振る。彼の名はデイビッド・マクドナルド。アンによく依頼をする刑事の一人だ。
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