炎と花びら
「デイビッド、今日はどんな事件?」

アンが椅子に座ると、デイビッドは捜査資料を渡す。そこには、ここ数年にかけて起きている変死事件が書かれていた。

「いい加減解決しろって上がうるさくてな」

デイビッドのため息を聞きながら、アンは資料をめくっていく。ここ数年、この国のあちこちで変死体が見つかっている。年代や性別はバラバラだ。

「共通点は、同じ村出身ということですね」

ノーマンが変死体となった人物の出身地を指差す。そこには「パスカル村」と書かれていた。この国の西側に位置しており、アンたちの住んでいる街からは列車を乗り継いで丸一日かかる。

「共通点はここしかない。なら、この村に潜入する以外なさそうだね」

アンはそう言いながら立ち上がる。そして、隣にいるノーマンに言った。

「数週間分の荷物をまとめておいて。パスカル村に行くよ」

「了解しました」

こうして二人は警察署を出た後、荷物をまとめて列車に乗り込み、パスカル村を目指した。
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