剛腕御曹司は飽くなき溺愛で傷心令嬢のすべてを満たす~甘くとろける熱愛婚~
高校卒業後、彼は渡英。
 噂ではイギリスの会社で武者修行していると聞いていたのだけれど……。
「ほら、これ頬に当ててろ。少し赤くなってる」
 尊は冷却パックを私の手に押し付ける。
 きっと私が父に叩かれたところを見ていたに違いない。
「……いつ日本に戻ってきたの?」
 なぜこの最悪な状況で彼に会わなければならないのだろう。
 眉間にシワを寄せて問えば、彼は優雅な笑みを湛えて答える。
「二日前。うちのホテルで優里香が式を挙げるっていうから、様子を見に来たんだ」
 そういえば、ここは久遠系列のホテルだった。
 見に来なくてよかったのに。とんだピエロだ。
「そう。楽しんでいただけたかしら?」
 尊をまっすぐに見て微笑しながらそんな皮肉を口にしたら、意外にも彼は顔をしかめて軽く溜め息をついた。
「お前って本当……馬鹿。弱ってる相手をいじめて楽しむ趣味はない」
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