Contact〜再会した初恋の君に〜

木曜日、八神総合病院のカウンセリングルームに入ると真紀子さんが出勤していたので、挨拶と一緒にお礼を言う。

「真紀子さん。いろいろありがとうございました」

「おはよう。紗希ちゃん。急にどうしたの?」

「あ、えっと…火曜日のこととか、昨日のお休みのこととか、いろいろです」

恥ずかしさもありはっきり言えずにいると察しのいい真紀子さんには通じたらしい。

「無事に仲直りできたようでよかったわ。もう、紗希ちゃんもヒロ先生もお互いが大好きって見てて明らかなのに、周りからの干渉に揺さぶられちゃうんだもの。心配しちゃったわ」

そんなに態度に出ていたとは思っていなかったので、恥ずかしくなり顔を赤くしてしまう。

「紗希ちゃん、顔真っ赤よ」

「真紀子さんが恥ずかしくなるようなこと言うからですよ」

真紀子さんは子供みたいに拗ねてみせる私にまったく動じない。

「可愛いわね。そういえば、ヒロ先生もお礼を言いに来てくれたわ。それと『やっとプロポーズの返事を貰えました』って笑顔で教えてくれたわ」

ニヤニヤと笑う真紀子さんにギョッとして聞き返してみる。

「えぇ? い、いつ聞いたんですか?」

「朝一番にヒロ先生が教えてくれたのよ。彼、相当嬉しかったみたいね」

「もうやだ…。そんなことまで言っちゃったの!?」

両手で熱くなった顔を押さえて、心の中で『落ち着け』と唱える。

「うふふ。彼も可愛いわね。って、紗希ちゃん、また顔真っ赤よ」

「もう、仕事できなくなっちゃうので、これ以上からかわないでください」

「そうね。じゃあ、今日もお仕事頑張りましょう」

また一つ壁を乗り越えた私はますます仕事も頑張らないと、と気合いを入れてその日の業務に取りかかった。
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