Contact〜再会した初恋の君に〜
月が替わりだんだんと寒さを感じる日が増えた頃、宏和から告げられたのは金田さんが地元に戻られたということだった。
「麻帆がさ、紗希に『ごめんなさい』って言ってたんだ。まだ自分で直接は言えないからって俺に伝言頼んでいった」
「…そう…だったんだ…」
「うん…。あいつなりに反省してたと思う」
「金田さんも素敵な人を見つけて幸せになってくれるといいね」
「そうだな。機会があれば伝えよう」
「いつか、ちゃんとお話できるようになるよね?」
「きっとできるだろう…」
そんな会話をした数日後、宏和は私の家に挨拶に来てくれた。
「紗希さんとお付き合いさせていただいてます。瀧本宏和と申します」
いつも柔和な感じの宏和とは少し違いきっちりと腰を折って挨拶をすると、父も母も笑顔で宏和を迎え入れてくれた。
宏和は「めちゃくちゃ緊張してる」なんて言っていたけど、横で見ていた私にはとても堂々としているように感じられた。
私はというと照れくささがいっぱいで自分の家にいるのに落ち着かなくなっていた。
両親と他愛もない話を続けていた宏和が横に座っている私の手を握ってきた。慌ててしまった私は横を向き宏和を見ると、改まって両親に向き合い真剣な顔で言葉を繋いだ。
「紗希さんと結婚させてください」
頭を下げる宏和の横で私も一緒に頭を下げる。
両親はまさか結婚の話が出るとまでは考えていなかったらしく、宏和の言葉に初めは驚いていたけれど、すぐに笑顔で了承してくれた。