Contact〜再会した初恋の君に〜
恋人のような時間を過ごせたと感じ、その年の夏休みは彼女に会えない日々でさえ幸せな気持ちでいられた。
それから他の奴らが彼女に手を出さないようにいろいろと気を張ったのは言うまでもない。
秋にある文化祭は高校生活の中で1番盛り上がる行事だ。俺たちのクラスでは射的をすることになり、いろいろなコンセプトでブースを作りイメージに合わせた的や景品を準備することになった。
クラス委員としてたくさんやることもあったのに俺は生徒会の仕事で忙しく、クラスのことを全部押しつける形になってしまった。
本当は田中の近くで一緒に作業をしたかった俺は「田中、手伝えなくてごめん」と顔の前で手を合わせて彼女の様子を伺う。
「こっちはみんな頑張ってくれてるから大丈夫だよ」
ニコッと笑顔で作業に戻る姿を見て、少しは寂しがってくれないかと悩んだものだった。
結局クラスのことをすべて任せてしまったにもかかわらず、田中は嫌な顔一つせずクラス委員としての役目を頑張ってくれた。
「やっぱり誰かの世話をやくことが好きなんだろうな…。それとバカがつくほど真面目なヤツだな」そんなことをひっそりと呟き、彼女のことを思い浮かべては救われた気持ちになった。
文化祭最終日、日が暮れた頃から始まる大学から中等部までの各生徒会合同での催しである花火を打ち上げる前に、ちょっと抜け出した。