あさまだき日向葵
「ああ、そうなんだ? でも時間の問題じゃね? 雰囲気、そんなんぽかったし。つか、何で名前知ってんの。あの人から聞いた?」
思ったより全然軽い口調に顔を上げた。
「え、何で泣いてんの? あ、そうか。あの二人がいい感じだから?」
塔ヶ崎くんが四次元ポケットからバスタオルを出してくれた。
「……タオル、大きすぎない?」
「ああ、だって聡子、1回くらい海にハマるだろ?」
「ハマらないよ! 入らないし! 準備万端すぎる! こんなに泣かないし 」
「……うん」
「違うよ、あの人なんてあの日初めて気づいて、初めて喋ったよ。めぐ美さんとそうなりたいから、って応援されただけ!」
「……そう、なりたいから、応援?」
塔ヶ崎くんは全然ピンと来てない。
「だって、元彼でしょ、塔ヶ崎くん。だから、私と塔ヶ崎くんがうまく行く方が先生は嬉しいの」
「いや、まあ、そうだけど。関係なくね?
俺、今さら 」
「まだ……好き、じゃないの? めぐ美さんのこと」
「ないけど。全然。俺、今聡子好きだし。聡子……は」
「私はずっと好きだって、言ってる! 信じてって言ってる! 塔ヶ崎くんが好き」
「でも先生と会う時の……服……」
「これ、浴衣と一緒にお母さんに買って貰ったの。青、塔ヶ崎くんぽくて、綺麗で。浴衣……浴衣も……綺麗な青が……と、塔ヶ崎くんぽくて……」
ああ、全然ダメ。涙が邪魔して喋れない。
バスタオルに顔を埋めて、しゃくり上げた。
もしかしたら、この大きいタオルが全部濡れてしまうかもしれない。
思ったより全然軽い口調に顔を上げた。
「え、何で泣いてんの? あ、そうか。あの二人がいい感じだから?」
塔ヶ崎くんが四次元ポケットからバスタオルを出してくれた。
「……タオル、大きすぎない?」
「ああ、だって聡子、1回くらい海にハマるだろ?」
「ハマらないよ! 入らないし! 準備万端すぎる! こんなに泣かないし 」
「……うん」
「違うよ、あの人なんてあの日初めて気づいて、初めて喋ったよ。めぐ美さんとそうなりたいから、って応援されただけ!」
「……そう、なりたいから、応援?」
塔ヶ崎くんは全然ピンと来てない。
「だって、元彼でしょ、塔ヶ崎くん。だから、私と塔ヶ崎くんがうまく行く方が先生は嬉しいの」
「いや、まあ、そうだけど。関係なくね?
俺、今さら 」
「まだ……好き、じゃないの? めぐ美さんのこと」
「ないけど。全然。俺、今聡子好きだし。聡子……は」
「私はずっと好きだって、言ってる! 信じてって言ってる! 塔ヶ崎くんが好き」
「でも先生と会う時の……服……」
「これ、浴衣と一緒にお母さんに買って貰ったの。青、塔ヶ崎くんぽくて、綺麗で。浴衣……浴衣も……綺麗な青が……と、塔ヶ崎くんぽくて……」
ああ、全然ダメ。涙が邪魔して喋れない。
バスタオルに顔を埋めて、しゃくり上げた。
もしかしたら、この大きいタオルが全部濡れてしまうかもしれない。