あさまだき日向葵
陽葵はもちろん、意中の誉田くんとペアになりたくて、清夏はもちろん、楽しそうな日野くんとなりたくて……
私はもちろん、塔ヶ崎くんじゃなければ誰でも良かった。全員が全員希望通りになるのは難しい。だけど、全員が全員、一番ペアになりたくない相手と組むことになってしまったのだ。
「じゃあね」
1学期最後の日だっていうのに……別れ際の挨拶はそれだけだった。
もう女子だけで思い出つくれば良かった!
塔ヶ崎くんと二人なんて何を話していいかわからないし、塔ヶ崎くんが望む思い出って何?何考えてるかわからなくて、怖すぎる。
塔ヶ崎くんだって、私とペアは一番嫌だっただろう。そう思うと余計に気持ちが落ちた。
ペアが決まった瞬間、塔ヶ崎くんはどんな顔をしていただろうか。あまりにもショックでそちらを見られていなかった。
……あれ、私もショック過ぎて、その感情を顔に出してしまっていたかもしれない。
夜になってようやく、塔ヶ崎くんに悪かったかなあ、なんて反省した。
たぶん、そんなことを塔ヶ崎くんは気にしたりしないだろうけど。私のことなどどうでもいいだろうし。
残り半年ちょっとある高校2年生のクラスを平穏に過ごすには、少なくともこの夏を乗り切らなければならなかった。
私はもちろん、塔ヶ崎くんじゃなければ誰でも良かった。全員が全員希望通りになるのは難しい。だけど、全員が全員、一番ペアになりたくない相手と組むことになってしまったのだ。
「じゃあね」
1学期最後の日だっていうのに……別れ際の挨拶はそれだけだった。
もう女子だけで思い出つくれば良かった!
塔ヶ崎くんと二人なんて何を話していいかわからないし、塔ヶ崎くんが望む思い出って何?何考えてるかわからなくて、怖すぎる。
塔ヶ崎くんだって、私とペアは一番嫌だっただろう。そう思うと余計に気持ちが落ちた。
ペアが決まった瞬間、塔ヶ崎くんはどんな顔をしていただろうか。あまりにもショックでそちらを見られていなかった。
……あれ、私もショック過ぎて、その感情を顔に出してしまっていたかもしれない。
夜になってようやく、塔ヶ崎くんに悪かったかなあ、なんて反省した。
たぶん、そんなことを塔ヶ崎くんは気にしたりしないだろうけど。私のことなどどうでもいいだろうし。
残り半年ちょっとある高校2年生のクラスを平穏に過ごすには、少なくともこの夏を乗り切らなければならなかった。