うそつきな唇に、キス
Liar / ア縺?ガー
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ちらちら、見られている。
いや、見られているというよりは、避けられている、の方が正しかった。
「…………はあ、」
すこし小さなため息をついただけで、その人たちの肩がびくりと大袈裟なほどに揺らいで。
わたしと必死に目を合わさないように、斜め下へ視線をずっと落としたまま。
廊下を歩くたびに、人が左右にはけていく。
─────そんな、黒い制服を着た人にとっては非常に居心地が悪い、白棟、所謂表側の人たちの校舎に、わたしは足を運んでいた。
若サマのおつかいという名目で、だけれど。
若サマは、あれから驚異的な回復力で、目覚めてまさかの3日で完全快復を果たした。
睿霸はそれに呆れていたし、琴は無理が祟ったせいだとぼやいていた。……もしかして、体を冷やさなかったら3日より早く快復したのだろうか。
そして、わたしは三日三晩事あるごとに琴にお説教をされてしまい。
それから解放されたのが、ちょうど若サマが学校に登校するのを再開した今日だった。