恋の仕方、忘れました
─────…




「取り敢えず主任はどこかで待機していてください」


「……何かあったらすぐ連絡しろよ」





めでたく主任と結ばれたあの日から10日ほど経過したある日の休日。
私は今、主任の車であるアパートの駐車場まで来ていた。

私だけ車から降り、窓を開けた主任に声をかけると心配そうな視線を向けられる。

「大丈夫ですよ」と一言放ち手を振ると、主任は名残惜しそうにしながらも、窓を閉め車を発進させた。

彼の車が見えなくなったのを確認すると、大きく深呼吸してからアパートに向かって歩き出す。



私がどこに来たのかというと、以前よく足を運んでいた、私の癒しだった、あの場所。
ある事がきっかけで近寄ることが出来なかった、あのアパートだ。





────そう、今日はお姉ちゃんに会うために、彼女が住むアパートまでやって来た。
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