恋の仕方、忘れました

「……」



返す言葉が見つからない。主任の目を見るのも怖い。

頭を下げたまま真下にある布団を見つめていれば、ぽつぽつと染みが出来ていく。勝手に涙が出てくる。


また主任に迷惑をかけた。重荷になった。

きっと本当は仕事もいっぱい残っていたんだと思う。それなのにこうして私のために飲み会に参加してくれたのに。



「成海」



でもきっと、彼は私を突き放したりしない。



「お前といると死ぬほど疲れるのに、嫌いになれないから余計腹が立つ」



そう言葉を紡いだ刹那、彼の手が私の肩に触れて、そのままベッドの上に押し倒された。



「なんか前に、アホな女に恋の仕方教えろとか訳の分からないことを言われた事があって」

「それ私のことですよね」

「その時は適当に答えたけど」

「適当だったんですか」

「でも、自分の言ったことはあながち間違いじゃなかったと思ってる」




“まぁでも…そいつのことしか考えられなくなったり、気付いたら目で追ってたらそういうことなんじゃねーの”


あの時の主任の言葉を思い出していれば、彼の指がそっと目の下に触れて、涙を拭った。



「仕事に集中してる時以外は、お前のこと考えてるかも」

「仕事最優先なところ好きですよ」

「無意識に目で追ってるし」

「その割にはあまり目が合わないです」

「……お前はどんだけ俺のこと見てんの」

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