恋の仕方、忘れました

「何が言いたかったかというと、それくらいちゃんと想ってるから自覚しろってこと」

「はい」

「あのクソハゲに無駄に近付くなってこと」

「はい」

「自分がアホだってことも忘れんな」

「やっぱり貶すんですね」

「それをクソハゲにチクったのも聞こえてたからな。誰が近所の人だよ」

「すみません」



あの時調子に乗って愚痴ってしまった内容も、全て聞かれていたらしい。

本当に私のことを気にしてくれていたのかと思うと、自然と口元が緩む。



「笑うな。まだ説教は終わってないから」

「ごめんなさい。でももう何言われてもニヤけてしまいそうです」

「……あ、そう」



鼻と鼻がぶつかりそうな距離で、冷たくそう言い放った彼は、突然身体を離したかと思うと私の横にごろんと寝転がった。



「なんか腹立つから、今日はもう寝る」

「え」



呆れた顔で私を一瞥した後、目を閉じる彼に目を見張る。

いつもなら腕枕してくれるのに。ていうか、この後仲直り後の行為をすると思ったのに。



「しゅ、主任、せめてスーツを脱がなきゃ皺になります」

「……」

「主任、シャワーは?私がお背中流しますよ?」

「……」

「主任~~っ、んん?!」



構ってほしさに、主任の身体を揺すりながら無理やり起こそうとすれば、突然伸びてきた手が私の後頭部を容赦なく掴む。

そのまま引き寄せられると、荒々しく唇が重なった。
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