恋の仕方、忘れました
─────…




隣ですやすやと眠る横顔を見つめなが、やってしまった…と、深い溜息が出た。


主任を起こさないように時計を確認すると、夜中の3時だった。
どうやら終わった後、私は力尽きて寝落ちしてしまったらしい。

起こさずそのまま眠らせてくれた主任に、また優しさを感じた。
そして今、こうして寝顔を見られることに幸せを感じてたりする。


優しく抱いてくれるって言ったけど、本当にあんなに大切に扱ってくれるなんて思ってもみなかったからさっきから口元がニヤけて止まらない。


しかもとてつもなく気持ちが良かったから困ったものだ。
彼の動きひとつひとつに息の仕方を忘れるくらい感じて、頭が真っ白になって、溶けてしまうかと思った。


祐真さんの時もこうだったかと言われたら……恐らく違う。
主任の方が何倍も気持ちよくて、何倍も丁寧だった。


それどころか、主任がまるで私を恋人のように扱うから、途中で錯覚を起こしてしまいそうになったほど。


主任の彼女は毎回こんな風に抱かれているのかと思うと、少し妬けた。



無防備な寝顔に、ツンツンと指で悪戯をする。
すると少し鬱陶しそうに眉を寄せるものだから、思わず笑い声が漏れた。


抱きついたら怒られるだろうか。
もう少し余韻に浸っていたい。


少しの間自分と葛藤したけれど、ふとスマホを見ると着信履歴が残っていることに気が付いて、画面に表示されている名前を見て一気に現実に引き戻された。

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