恋の仕方、忘れました
私の目に飛び込んできたのは“祐真さん”の文字。
一日に二度もかけてくるってことは、もしかするとお姉ちゃんがまた出掛けていて、その隙に会おうとしていたのかも。
もしも主任に飲みに誘われていなければ、恐らく私は誘惑に負けて、喜んで彼に会いに行っていただろう。そしてきっと同じ過ちを繰り返していた。
そう思うと、今日の主任には感謝しかない。
とは言っても、結局相手のいる人と寝たことに変わりないから、私がしてることはいい事ではないのだけれど。
未だ“祐真さん”の文字を見つめながら、やっぱり主任の言う通り、この人はただのクズだったのかも、と思い始める。
主任と関わったことによって、祐真さんの何がよかったのか思い出せなくなってしまった。
つい数時間前まで彼のことで頭がいっぱいだったのに。
私も私で意志の弱い、相当なクズだ。