恋の仕方、忘れました

「成海、今週も成績バッチリじゃないか!いやー、ほんとお前はいいね!仕事出来るし美人だし、色気もあるし!全部最高」




おいおいおっさん、まさか昼間から一杯引っかけてきたんじゃなかろうな。
余計な一言のせいで、周りの社員もさすがにドン引きですけど。

軽い冗談のつもりかもしれないけど、目の前の課長はいつもは目で訴えてくるだけなのに、今日は発言がアウトだ。
このまま数年かけてどんどんエスカレートしていくのかと思うとゾッとする。

気持ち悪っ。と言ってやりたい気持ちを抑え「ありがとうございます」とだけ伝えた私は、一刻も早くここを立ち去りたくて、急いで課長の席から離れようとした。───けれど、



「なぁ成海、ちょっと」



再び課長に引き止められて、しぶしぶその場に留まった。


課長は何をするのかと思いきや、突然付箋に何かを書き始める。
それをただじっと見守っていれば、書き終えた課長は付箋が私に見えるようにそっとずらした。


そこに書かれている文字を読んで、思わず目を見張った。

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