恋の仕方、忘れました
「確かにあの日がなければ好きになることはなかったと思います。勿論こんなに好きになるなんて思ってなかったから、好きになりません宣言したのも本気でした」
「……」
「だけど、あの日から色んな主任を知っていく内に、どんどん意識しちゃったんです。寡黙で無愛想だと思ってたのに実は全然違って、よく喋るし、優しいし私のこと認めてくれたし、頼れるし、尊敬出来ていつも正しい方に導いてくれる。口は悪いし、イケメンのくせに寝顔はちょっと間抜けで焦った顔なんて珍百景だけど」
「おいそれ貶してんだろ」
「でも好き。めっちゃ好き。身体の関係がなくたって、その他の主任をもっと早く知ってたら絶対に好きになってた自信があります。最近は主任のことしか考えられないし、主任ばっかり目で追ってしまう。これって好きってことですよね?」
一気に喋ったからか、話し終わった時には息切れを起こしそうになっていた。
けれど、伝えたかったことが全て伝えられて、心が軽くなるのを感じた。
恐る恐る視線を上げて、主任の顔を確認する。と、今度は彼の方がそっぽを向いている。
「……お前さぁ、恥ずかしくねーの?」
「何がですか」
「よくそんな台詞ぺらぺら言えるよな」
「もっと恥ずかしい自分を知られているので」
「……確かに」