先生の愛が激重すぎる件
はじめそれを見た時にははなんて不謹慎のだろうと思った。でも違った。それは物事に対する興味や熱意や真剣な思いの表れなのだと気付いてからは先生に対する見方が変わった。
その目を自分に向けられて、思わず話してしまった。
キッチンクボは創業10年の小さな洋食店だった。
ホテルのレストラン部門で働いていた父は、ホール担当だった母と職場結婚した。私が生まれて少したってから独立し、お店を開いた。
高級ホテルのレストランの味をリーズナブルな価格で食べられるとあって、客の絶えない人気店だった。
「誕生日とかお祝い事があるとよく作ってくれたんですよ。かぼちゃとかほうれん草とか季節の野菜を入れて、チーズをたくさんかけて……弟たちと取り合って食べたのはいい思い出です」
自分でも驚くほど饒舌に語ってしまった。
「それはぜひ、食べてみたいな」
「……それが、もう食べられなくて」
どう伝えればいいか悩んだが、先生ならちゃんと受け止めてくれる気がした。
「私が中学に入学した年にがんで亡くなりました。スキルスです。看護学校で勉強して、どうしてあんなに急に死んでしまったのかが分かりました」
早く社会に出たったかったこともあり、看護師養成の専門高校へ進学した。そこでどうして父ががんとわかってから数か月で死んでしまったのかようやく理解できた。
五年間で正看護師の受験資格を手に入れ、無事国家試験を通過し就職。
消化器外科の病棟へ希望を出したのは父のことがあったからだ……。
「そうか。お父さん、亡くなったんだね。中学生だったんじゃ、いろいろと大変だったろ」
私は力なく首を左右に振った。本当は大変だった。でも、苦労だけじゃない楽しい思い出もたくさんある。
「まだ弟たちは学生ですけど、私が仕送りしてるから以前よりは……ごめんなさい。先生にこんな話をして……」
「ううん。もっと知りたいよ、明日美の事。知ったらもっと、お前のこと好きになる気がする」
先生の目は真剣だった。いったい私のどこが好きなんだろう。
「困った顔すんなよ」
「……だって、先生が私のことを好きになる理由が分かりません」
私はかわいげがないらしい。
母子家庭の長女で、弟が三人いることもあって姉御肌。甘え下手の私は年上の男性からは好かれない。
その目を自分に向けられて、思わず話してしまった。
キッチンクボは創業10年の小さな洋食店だった。
ホテルのレストラン部門で働いていた父は、ホール担当だった母と職場結婚した。私が生まれて少したってから独立し、お店を開いた。
高級ホテルのレストランの味をリーズナブルな価格で食べられるとあって、客の絶えない人気店だった。
「誕生日とかお祝い事があるとよく作ってくれたんですよ。かぼちゃとかほうれん草とか季節の野菜を入れて、チーズをたくさんかけて……弟たちと取り合って食べたのはいい思い出です」
自分でも驚くほど饒舌に語ってしまった。
「それはぜひ、食べてみたいな」
「……それが、もう食べられなくて」
どう伝えればいいか悩んだが、先生ならちゃんと受け止めてくれる気がした。
「私が中学に入学した年にがんで亡くなりました。スキルスです。看護学校で勉強して、どうしてあんなに急に死んでしまったのかが分かりました」
早く社会に出たったかったこともあり、看護師養成の専門高校へ進学した。そこでどうして父ががんとわかってから数か月で死んでしまったのかようやく理解できた。
五年間で正看護師の受験資格を手に入れ、無事国家試験を通過し就職。
消化器外科の病棟へ希望を出したのは父のことがあったからだ……。
「そうか。お父さん、亡くなったんだね。中学生だったんじゃ、いろいろと大変だったろ」
私は力なく首を左右に振った。本当は大変だった。でも、苦労だけじゃない楽しい思い出もたくさんある。
「まだ弟たちは学生ですけど、私が仕送りしてるから以前よりは……ごめんなさい。先生にこんな話をして……」
「ううん。もっと知りたいよ、明日美の事。知ったらもっと、お前のこと好きになる気がする」
先生の目は真剣だった。いったい私のどこが好きなんだろう。
「困った顔すんなよ」
「……だって、先生が私のことを好きになる理由が分かりません」
私はかわいげがないらしい。
母子家庭の長女で、弟が三人いることもあって姉御肌。甘え下手の私は年上の男性からは好かれない。